2010年9月5日日曜日

古坊中 その②


「ウーン無いなぁ。写真のこの感じだと、絶対ここらあたりだと思うんだけどなぁ。ひょっとして誰か持ってっちゃったんじゃない?」と思い始めた頃、ソレは藪の中に転がっていました。





スコップです。


怪しい…。

怪しすぎる…。



もうひとつの梵字の刻まれた石碑を探しに古坊中に通い、すでに2日目になっていました。


石碑を掘り起こすのに丁度良さそうなスコップが、手掛かりの写真からここら辺りじゃないかなー、というまさにその場所近くの藪の中にわざと隠すように捨てられています。

もうこのあたり一帯大概歩き回りました…。


「もうここには無いのだろうか…。」


そのうちに「誰だよ盗んだの。バチ当たりヤロウめ…。」、と毒づき始め、誰かが盗んでいったというストーリーがだんだんと真実であるかのように心の中で優勢になっていきます。なんかすでに9割方諦めモード。


そんなとき、一応聞いてみるか…と、古坊中から飛び立つヘリコプター遊覧飛行のスタッフ方がいらっしゃったので聞いてみました。


(写真を見せて)
「こんなの探しているんですが…。」
「うーん、見たこと無いけどねぇ。でもあの辺(指を指して)に何かあったような…。」といういかにも曖昧な情報をくれたのでした。

昨日から古坊中で牛を放牧させている酪農のおじさんや、ロープウェイ乗り場近くでゴミを拾っていた(恐らく駐車場の)管理人のおじさんにも聞いてみたのですが、皆さん一様に「見たこと無いねぇ、でもあの辺で見たような、見ないような、むにゃむにゃ。」的な答えしか返って来ませんでした。


あの辺もすでに歩いてんだけどなぁ、とか思いつつも、もう一度“あの辺”に行ってみます。




「…オヤ?」

私の立っている位置から、その距離、記憶によると恐らく3mくらい。草の塊から黒っぽい頭が“ちょこん”出ているのが不意に目に入ったのです…。



「…こ、こ、」




「こんなとこにいたんかー!!!」


盗まれてません。まだこの平原の中に昔と同じように佇んでいたのです。

本日見つからず帰ってしまったら、『結論:どこかのバチ当たりなドロボウが盗んで行ったようだ(終)』になっていたところです。ふぅ、危なかった。



そして、前回と同じく待望の対面に感謝し、その古い碑に水を掛けて手を合わせたのでした…。





後日談ですが、、

阿蘇の大先輩、陶芸家である阿蘇坊窯の山下さん(とてもオモシロい人なんです!)が梵字の意味を持っている梵字の本で調べてくれました。

それによると、この丸に囲まれた梵字は阿弥陀如来で、その左下右下にそれぞれ観音菩薩、勢至菩薩にあたる梵字も刻まれており、阿弥陀三尊を表現しているとのことでした。

前回の碑に刻まれた梵字は、まだ調べ中です。

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