2012年4月12日木曜日

アメリカの思い出(前振り)。

以前会社員時代にデトロイトに出張させてもらってたことを少し前に書いたような気もしますが、私の勤務していた工場でランチタイムにこんなことがありました…。

そこの食堂ではみんなトレイを持って一列に並び、食べたいものを取ってそしてレジに並ぶという手順になっており、私は何を選んだかは覚えてませんが(たぶんいつもの日本食だと思います)、いつものようにレジに並びました。そして私の順番になり、いざお金を払おうとしたとき、レジのおばちゃんが言いました。
「前のあの彼がお金払ったからアンタ払わなくていいよ。(意訳)」


「??」


どうやら私の前に並んでいた、ちょっと太めの黒人の彼がすでに私の分のお金を払ってくれていたのです。かなり大きい工場で、働いている人も多いので周りは知らない人だらけ。その彼も全然知らない人です。私は混乱しました。私は彼に向ってかろうじて「ほ、ホワイ?」とか何とか言ったような気がします。彼はいいんだいいんだ、という感じでさっさと向うに行ってしまいました。

レジのおばちゃんに、えーと、困った、どうしようという視線を向けると「こういう時はありがたくもらっとけばいいのよ。」とか何とか言ってくれたので結局思いがけずランチを奢ってもらう形になってしまいました。

私がビンボーそうに見えた可能性も無きにしも非ずですが、基本的に出張で来ている日本人なので、私にお金が無いと思っているわけではないと思いますし、何より全く接点のない人間(レジで後ろに並んでいただけ)にランチを奢るという行為がどういうことか未だによく解りません。


後で彼を見かけたとき、この間はありがとうと言いましたが、彼は同じようにいいんだいいんだという感じで、それ以上特に話そうとしませんし、その後もたまーに彼を見かけてあいさつしても私に親しげに話しかけてくる様子もありません。正直に言うと、実は彼はアジ専(特別にアジア人が好き)のゲイで私を秘かに狙っているのではないかとも考えてしまったのですが、そんな彼の様子を見ると一瞬でもそう考えてしまったことを恥ずかしく思ったのでした(ただし私はオーストラリアで金持ちそうな初老のアジ専紳士に唇を奪われそうになった経験があります)。


その他にも有料の公園に車で入ろうとしたとき、入口の料金所で料金徴収のおばちゃんに「前の車が払ってったから通っていいよ。」と言われた時もありました。

そのようなことが続くと、スーパーの駐車場などで子供達に「教会に寄付をお願いします。」と言われても「オレクリスチャンじゃないから。」とびた一文払わなかったことを少し恥ずかしく思ったりもします。


もちろん皆が皆そうではないのは前提としても、「世界には大きく分けて二つの国がある。アメリカとアメリカ以外だ。」「アメ~リカ、ナンバーワン。他の国、興味なし。」などと思っているようなアメリカ人がけっこう多いのではないか、とアメリカ人に対して若干の偏見を持っていた私が、そんな出来事のおかげで、アメリカ人への偏見がずいぶんと和らいだ、というか見直したのでした(←ってエラソーな言い方ですが)。





…というアメリカでの思い出とは全く関係ないのですが、それを思い出したある出来事が実は今回の本題です。しかしながら前振りが長くなりすぎましたので次回に続きます。

3 件のコメント:

  1. 早く続きを。

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  2. 上に同じ。^^)

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  3. ほい、どうぞ。期待してもらってるようなお話ではないと思いますので恐縮ですが。

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