コース終了後には奥さんとプシュカルで落ち合い、数日過ごしました。このプシュカルは小ぢんまりとした町で、とても過ごしやすいところでした。メインストリートの幅が狭いながらもバイクはガンガン通り、聖なるノラ牛達がその狭い道を気ままに行き来してますが、レストランやお土産物屋さんもたくさんあり、いつも多くの人々で賑わっていて活気があります。聖地であり観光地でもあり、旅行者がついつい長居してしまうところだというのも納得です。
前回のインド旅行では入国後1週間ちょっと過ぎに酷い下痢をして、その後しばらくインド料理のマサラ臭を体が全く受け付けないようになる、『カレー、ダメ、ゼッタイ!』という期間がありました。今回私自身は大丈夫だったのですが、奥さんがヴィパッサナー瞑想コース期間中に、以前の私と同様に『カレー、ダメ、ゼッタイ!』状態になってしまっていました。ですので私たちはプシュカルではパスタ、ピザのようなものばかり食べてしまいました。その国に行ったらその国のものを食べるという基本方針は、その時点でけちょんけちょんに丸めて蹴飛ばして捨ててやりました。
とにかく米、ごはんが泣きたいほど不味くて、ごはん好きの私もどうしても麺を選んでしまいます。タイとかでも米は日本と違って粘り気のない、言えばパサパサ気味だったと思うけど、タイでのごはんが不味かった記憶など殆どありません。でもインドの米は今回の私には格別にダメでしたね。多分とどめを刺された食べ物がフライドライスだったのが多少影響しているのかもしれません。
また今回気が付いたのは、20年近く前の前回のインド旅行ではパスタなど食べた記憶はないのですが(チョウメンはよく食べたと思う)、今では外国人旅行者もよく入るようなお店では、パスタ、ピザといったイタリアンがほとんどのお店のメニューにあるということでした。なるほど、ベジ(ベジタリン)でもパスタやピザなら大概不味くはなりませんからね。
Nirvana Cafeというレストランで食べた時、シヴァ神のようなヘアスタイルが目を引く、若干クセの強そうなそのお店のオーナーのおじさんが話しかけてきて、「ウチのピザ、パスタがもしもプシュカルの他の店より不味かったら、お代はいらんよ!」と豪語してきました。(おお、とにかくすげー自信だ)と感心したのですが、食べてみると、(なるほど、その自信、インド人だからというだけの理由ではないな)と納得しました。場所によってはチャパティにケチャップみたいなのかけてチーズとピーマンをのっけて焼いただけみたいななんちゃってイタリアンピザで200ルピー(400円弱)前後とかする(だってレストランのチャパティ1枚10ルピーとかですよ)、偽ブランド品のようなお店もあるのですが、ここはしっかり本格派でした。注文したブロッコリー入りのクリームパスタなんかもうホント感激するくらいおいしかったので、こうしてここに書き残しておきます(写真は忘れた)。
もうひとつ特においしかったのが、店名は控えておくのを忘れましたがどこかメインストリートのフレッシュジュース屋さんのベジバーガーです。ベジなのにここまでウマいバーガーもあるんだ、とかなり感激しました。後に他の街で食べたベジバーガーとは雲泥の差、ダウンタウンとダウソタウソくらいの実力差がありました。因みにプシュカルはインドの聖地のひとつなので、ノンベジ、つまり肉類の出るお店は私の見た限りではなさそうでした。
いつから流行っているのか、ひょっとしたらジャイプルやプシュカルでは大昔からずっと人気なのかは分かりませんけど夕方近くになると子供らから大人まで、建物の屋上へ上がってきて、日課のようにせっせと凧揚げを始めます。みんな同じ大きさ、形で、色だけが違う沢山の凧が空に舞います。仕事から帰宅したらしいお父さんも隠居しているおじいさんも上手にできない子供に「ほら、こうやるんだよ。」と手本を見せたりしています。ようやく高く揚がったらお母さんに「ホラ見てー、」と呼びかけたりなんかして、「はいはい、すごいじゃない。」なんて言ってるっぽい光景は見ていて大変微笑ましいものでした。
子供らだけでなく、いい年をした若者も多く見かけます。日本では多くの若者が下を向いてスマホ画面をせっせと見ているだろう間に、インドでは多くの若者が空を見上げてひたむきに凧揚げしています。どちらが上でどちらが下かという問題ではありませんが、どちらがより深刻な問題なのだろうかと考えてみると結構悩みます。とりあえず凧揚げの方が健康的なイメージでしょうか。
〈続く〉
0 件のコメント:
コメントを投稿