インド旅行記はすぐ続きますが、標記の件について少し意見を。
一昨日、阿蘇山の噴火警戒レベルが約2年半ぶりに昔で言ういわゆる平常時(活火山であることに留意)のレベル1に引き下がりました。昨年10月の噴火によるダメージの為、火口周辺までの立ち入りは今のところまだ禁止されておりますが、阿蘇の観光に従事する私共にとっては朗報と言えます。
朗報と言えばもちろんそうなんですけど、少しあまのじゃく的になりますがこういう時だからこそひとこと言っておきたいのは、昨年10月の爆発的噴火についてのことです。素朴な疑問が私にはどうしても残っています。
その噴火は噴火警戒レベルが2の時に発生しました。レベル2は火口から概ね1kmが立ち入り禁止ですが、噴火が深夜だったため、その噴火時、火口周囲3、4kmはおそらく誰もいない状況だったんじゃないかと思います。頭に当たったら即アウト位の大きな石は周囲1km外へは飛散していないんじゃないかと思ってますが、小石程度ならば1kmどころじゃなく飛散しました。
もしもその規模の噴火が真昼間に起こっていた場合、火口周囲1kmの外に時期によってはたくさんの観光客がいたはずなのですが、いったいどのくらいの被害があったのか、いやなかったのか、小石や火山灰の飛散は風向きが大きく影響しますが、風向きによっては観光客はもっと危険だったのか、じゃあどのように避難するのがベストなのかとか、あまりそういった検証がなされていないような気がします。それとも検証はしたけど報道は少し控えているのか、そういったところが私にとってイマイチ不明瞭なのです。
ひょっとしてそういったことに対してきっちりとした詳しい報道もあったのかもしれませんが、一応警戒レベル2の状態の時に起こったことだからまあなんとか大丈夫だったんじゃない、というようなフワッとした印象しか残っておらず、少なくとも私はよく知りません。
専門家でもない素人の想像ですが、もしその噴火時に観光客がロープウェー乗り場のある山上広場あたりにたくさんいたなら、死者が出るほどではないにしてもそこにいた人は相当恐怖を覚えたはずで、火山灰にまみれる人、小石に降られてちょっとした怪我をする人もひょっとしたらいたかもしれないと想像します。
今回レベル1に引き下げられましたが、だから警戒レベルは慎重にセフティファーストで、念には念を入れて、出来るだけ高いレベルに据え置いた方がいいと主張したいわけではありません。
いまでは地震が来る前兆を察知したら数秒前にも携帯の緊急地震速報がけたたましく鳴る時代です。
監視体制が敷かれている火山の噴火は、地震と違って数分前にはその前兆を捉えられることが可能だと言われています。以前にも何度かこのブログで主張したことがありますが、その前兆を捉えたら瞬時に自動的に火口周囲一帯に警報が鳴り響くようなシステムを導入できないものなのでしょうか。現状ではそういったシステムになっていないでしょうが、目指すべきはそこじゃないんでしょうか。たとえ警報が空振りだったとしてもそれほど大きな問題ではないと思いますし、今までいつも噴火してから警戒レベルを引き上げてますが、それではたいした意味がないことはおそらくみなさん感じているはずです。
そんな目に見えて大きな噴火など何年、何十年に一発単位なのですからその為に火口周辺立ち入り禁止であるレベル2以上の状態を長く留めておくのではなく、なるべく阿蘇の火口が観光できる状態を維持しながら、尚且つイザという時には瞬時に警報が鳴りとっさに逃げられる体制を構築してほしいなと、阿蘇山に依存した観光の宿としては願っています。
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