2016年10月10日月曜日

新聞に載りました。

 熊本日日新聞に少しだけですが載りました。何か悪いことをして捕まったとか、新聞に載ったぜ、イェーイ!とかここで自慢したいわけではないのです。一応取材、というかお話を聞かせてください、と記者さんがウチに来られたのでざっくばらんにお話をさせていただいたのですが、ちょっと真意と違う、というか今一つ誤解を受けそうなので少々弁明させていただきたいと思います。記者の方は限られた文字数で必要なことを伝えないといけないので、記事の内容に不満があるわけではないです。



記事は、『山なみを越えて ~観光はいま』という連載の5話目、少々抜粋します。

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豊肥線は地震で、豊後荻-肥後大津間が不通に。大分側は7月に復旧したが、阿蘇-肥後大津間は寸断されたまま。JR九州運行の代替えバスは「高校生の通学が主目的」で日曜は走らせず、観光客の利用には消極的だ。
外国人が格安料金で乗車できるJRの「レールパス」は代替えバスでも使えるが、利用はほとんどない。
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現在外国人が阿蘇に入る主要な手段は、産交バスが熊本-大分間で運行する特急「やまびこ号」だ。阿蘇市観光協会などは「レールパス」をやまびこ号でも使えるよう国を通して要望しているが、実現していない。
こうした状況に阿蘇駅近くでゲストハウスを営む○○○○さん(年齢)は「不親切で、みすみす追い返しているようなもの。利用者目線が乏しい」と憤る。阿蘇に行けないと勘違いした外国人の当日キャンセルが既に10件ほどあるという。
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“こうした状況に~憤る”、『憤る』ってずいぶん熱くなってんな、と思われた方も多いんじゃないかと思いますが、こうした状況については、私はせいぜい『不満を表明した』程度です。では憤ってないのか?というと実際のところ憤ってますが憤りの対象が違います。

私が憤っているのは熊本駅で『阿蘇に行きたいんだけど…。』と質問した外国人の旅行者に対して、代替えバスのことを案内せず、『電車はない。阿蘇には行けない。』とだけしか案内していなかったことです。記事にあるように“高校生の通学が主目的”というのは、まあ正直(天下の大会社、JRさんがそんなことでいいんかなあ。)とこちらとしては不満はありますが、そういう方針ならまあ仕方ないんですかね…、と憤りまでせずに受け入れてます。しかし、今晩阿蘇に宿泊予約をしている日本語にも不自由している旅行者の質問に対して、『電車はない。阿蘇には行けない。』としか案内しないことには憤りを感じます。

阿蘇に行けないのでキャンセルする、と当日に連絡があったことが一度や二度ではありませんでしたので、さすがに熊本駅に電話しました。電話に出られた方は分かりましたと仰いました。そしたら今度は『通学の方がメインなので一杯だったら乗れないかもしれませんよ。』と脅す事案が発生…。この代替えバスがどのくらい混雑しているのか実際のところは私は知りません。ただ、そんなに観光客を乗せたくないのならばいっそのことJR代替えバスなどと言わず、ただの通学用バスとでもしておいてほしいです。


やはり阿蘇ベースは外国人の割合が多い宿ですので、路線の寸断はとても痛いです。記事にもあるように海外からの旅行者はJRパスを使って旅行する方が多いですからね。今では阿蘇に行ってみようかと考える外国人旅行者が電車検索をすると熊本方面からは福岡、小倉、別府までぐるっと遠回りしないと阿蘇にたどり着けないことになっています。そこまでして阿蘇を訪れようとしてくれる旅行者などあまりいないのは、まあ当然ですよね。

『がんばろう熊本!』の文字をそこらじゅうでよく見かけますが、阿蘇ベースの立場のみから言わせてもらうと、『がんばってくれ、JRさん!』とホントは言いたいのです。



これを書くことは、同情されるべき立場を利用して訴えているようなカタチですので、若干みっともない気がして今まで書くことはためらっていましたが、新聞に名前入りで記事が載り、ちょっと真意と違うよな、と思ってしまったので今回ここで弁明も含めて書いてしまいました。ご勘弁を。

噴火について。

みなさんご存知の通り、8日午前2時前頃、阿蘇中岳火口で噴火がありました。私は寝てましたので全く気づきませんでしたが、阿蘇市民に貸与されるテレビ電話の緊急速報でたたき起こされ噴火があったこと知りました。一応窓から山の方を見てみましたが真っ暗で何も見えなかったので、またさっさと寝てしまいました。翌朝起きてみると阿蘇ベース周辺ではあたり一面うっすらと降灰がありました。

ひょっとしてテレビとかでやってたりするのかなとテレビをつけてみると、やってるじゃありませんか。ネットニュースを見ると、なかなかにエグい降灰してるじゃありませんか。

あ、なるほど、またそういうことね、と…。

地震から踏んだり蹴ったりというか、泣きっ面に蜂というか、財布落としてお金がないので電車に乗れず歩いて帰る途中犬のうんこ踏むみたいな、というか。

夕べなど降灰の影響で、陽が落ちる前ぐらいの時間から停電になり、電気は点かない、シャワーのお湯も出ない、でゲストさんには大変ご不便をおかけすることになりました。まあロウソクを結構用意していたのでキャンドルナイトでみなさん不平不満も仰らず、和やかに談笑されておりましたので助かりましたが。夜11時過ぎには何とか復旧されましたので良かったですが、なかなか気を使いました。

停電もいっそのこと追加して例えると、そのうんこ踏んだ後に雨が降ってきて、傘もなく歩いているとどこからともなくX JAPANの『ENDLESS RAIN』が聞こえてきた、みたいな感じでしょうか。

もう、れっとみーふぉーげっとですよ(←意味不明)。



今回の噴火は“36年ぶりの爆発的噴火”とのことで、アレ、去年のは?と不思議に思ったのですが、どうやら一定以上の空気の振動が観測された場合には“爆発的噴火”と呼ぶらしく、要するに昨年9月の噴火はそれに達していなかったということらしいです。1万メートルを超える噴煙が確認されたのは過去に例がないらしく、稲妻も走ったとのことでした(見たかったなあ)。去年のは2000メートル程度で稲妻等は見られなかったので、そりゃ今回のはスゲーなと思います。キャンセルはやはりすでにある程度入っていますが、あまり大きな声では言えませんが、噴火が日中に発生し、その映像が報道されていたら今の時点でもっと多くのキャンセルが入っていたことでしょう。


噴火警戒レベルが2から3に上がりましたので、火口から2㎞の範囲は立ち入り禁止になりました。今朝からは草千里までは行けるようになりましたので、阿蘇山に来て観光出来ることは実際のところ噴火前とさほど変わらないです。本日の噴煙の様子は灰も交じっていなさそうな落ち着いた感じに見えます。


前も同じようなことをここで発言してまして、今回も気になったので一応ひと言っておきますが、この噴火警戒レベル、噴火の後に上げてもそんなに意味がないと思うのですが。ある報道 では7日の午後11時50分ごろ山体膨張を確認、とあります。噴火は8日午前1時46分頃です。その9分後の噴火警戒レベルの引き上げ発表です。今回はひょっとして真夜中だったから急がなかったのかもしれませんが、山体膨張を確認した時点でどれだけ早く噴火警戒レベルを引き上げることができるのか(観光客を避難させることができるのか)、が一番大事なところなのではないでしょうか。因みに7日夜も小規模噴火があり、10月に入って火口直下で地震が増えていたとの報道もあります。その時点で警戒体制のレベルを上げるなりしてもいいのではとも思うのですが。

噴火警戒レベルなど、噴火の瞬間には噴火の規模に応じた警戒レベルに上がっている状態であることが理想で、視点を変えると噴火していない落ち着いた状態の時にレベルを上げた状態であるということは、その期間中ずっとレベル選択を間違え続けている、と言えなくもない、と言ったらあまりにも安全を軽視しているのかもしれませんが、あくまで視点を変えてみるとそういうことです。

火口の中を見て、砂千里を通って中岳から高岳に上り、仙酔峡に降りていく登山ルートを一日歩いて大満足して帰ってきたゲストさんたちが沢山居たのはなんだか遠い昔のようです。

自然相手ですから仕方ないのは分かりますが、なんかちょっともう少し上手くやろうとすれば出来ないこともなさそうな気がして…。まあシロウト考えですけどね。