2013年3月30日土曜日

クリントさんに褒められる。

人間褒められるとうれしくなります。また、あまり褒めなさそうなひとに褒められるのはなおのことうれしいものです。おそらく想像するに、女性の方もジローラモさんに「キレイですね。」といわれるよりも、高倉健さんに「綺麗ですね。」と言われる方が、(どちらもうれしいにしても)割り増しでうれしいんじゃないんでしょうか。


留学中で日本語が大変上手な娘さんと、その娘さんを訪ねてきたお父さんと二人で旅行中のアメリカの父娘ゲストさん。娘さんとは違い、お父さんはあまり表情が豊富なタイプではなく、口数も少ない印象を受けます。阿蘇ベースに宿泊された二晩、夜はカウンターで独り日本酒をちびりちびりとやっていて、顔がよく似ているというわけではないのですが、背も高いしどことなくクリント・イーストウッドを彷彿させる方でした。

そのお父さんがツツツ、と受付に座っている私のところに来て言いました。

「ここは、いつからやっているんだ?(←英語です)。」

「あ、はい、2009年の冬からです。」

「そうか…。」

「はい。」

「ここは、俺が今まで泊まったホステルの中で一番いいな…。(This is probably the best hostel I have ever stayed at...)」

と抑制された渋い口調でポツリと仰って、またカウンターに戻りお酒をちびりちびりはじめました。

少し難しそうなタイプに見えたクリントさん(←仮名)にも気に入っていただいたようでとてもうれしく思い、また“クリントさん、ホステルも泊まるんだ。”とも思ったのでした。

とにかく、ホッとしました。

2013年3月28日木曜日

のんびりしてくれてありがとう。


5泊で予約のフランスのNさんカップル。

5泊も予約してくれる方は非常に稀なので、そのことをチェックイン時言ったらここで少しの間のんびりしたいとのこと。


例のフランスの1年後には同じ職場に戻れるシステム(そういう法律がフランスにはあるそうですね)で休職して3ヶ月目、全11ヵ月予定の長期旅行者さんでした。





のんびりする宿として阿蘇及び阿蘇ベースを選んでくれたこと大変光栄に思います。




阿蘇ベースは、このカテゴリーの宿としてはすこーーしだけ相場より高めなのですが、自信と、ちょっと気取った言い方になりますが誇りを持ってこの料金にしています。


ただし、ほとんどの方にとってダブルで6600円というのは、当然どうでもいいようなはした金でなく、弁当のヒライさんの素うどんに換算すると30杯以上、UFOに換算すると50個くらい、5泊もしようものなら250個分にもなるほどのお金です。そのことを常に肝に銘じてその重みを忘れないように日々ゲストさんをお迎えしています…。

…要約するとそのようなお話をある人気宿のオーナーさんから以前伺ったことがありまして、『ふーむ、流石だなぁー。言うのは簡単だけど、実際は誰にでもできることじゃあないぞ。オレも見習わなくっちゃなー』と大いに刺激を受けたことがありました。


まあその方は焼きそばに換算はしなかったですけどね…。

2013年3月23日土曜日

デリバリーはむつかしい。

外国人旅行者の多い宿で働いているので、よく英語がペラペラなんじゃないかと思われがちですがそんなことはありません。英語圏に数年住んだ経験もあるので、ある程度伝えたいことは伝えられますし(正しい英語か正しくない英語かは別として)、ちょっとしゃべっているのを聞いた人に英語出来ていいですねえなんて言われて少し気分がよくなったりすることもあることはあるのですが、実際のところ、これなんて言ったらいいんだろうと言葉に詰まることはしょっちゅうです(ひとつ言い訳をすると日本語で言葉に詰まることもしょっちゅうです)。


先日のことですが、あるオランダのゲストFさんに近くの食事処をひととおり説明してまして、最後に『出前もあるよ。』と軽く付け加えるつもりで、「We have delivery, also.」と言いました(ネイティブスピーカーはこんな言い方するものなのかわかりませんけど)。

オランダ人というと、オランダにはちゃんとオランダ語があるにもかかわらず、ブルース・リーがヌンチャクを扱うように自由自在に英語を操るほぼ英語ネイティブスピーカーと言ってもいいくらいの方たちですが、それを聞いたそのオランダのFさん、私の今までの人生で100万回くらいされたことのある、目を細めて必死に何かを思い出そうとするような表情でじいーっと覗き込むように私を見ました。


要するに「え、ワカンナイ。何て言ったんだろう?」という表情です。いつものことですが、『ああ、また(この表情を)食らったか…』と軽く凹みます。



続いて私は愚かなことに単語だけを繰り返し言いました。


「でりばりぃ。」

不発。りトライ


「でぃヴぁぅりぃ。」

また不発。もう、結構恥ずかしい。


仕方ないので敗北感に打ちひしがれつつ、たどたどしい説明を入れます。

あいめいくあふぉんこーる、あんどぜいるぶりんぐふーど…。

ここでFさん、

「Oh---! DELI-VERY!!!」

さすがフォータイムスチャンピオン、アーネスト・ホースト擁するオランダ人、パーフェクトなデリバリーの発音です。一生懸命その発音を真似てみましたが、言えば素材が違うというのか、カニとカニボコのようにどうあがいても決定的に違う何かがあります。



というわけで、デリバリーはなるべく避けて通りたい単語であります。

2013年3月20日水曜日

阿蘇神社火振り神事。

昨晩は阿蘇神社で火振り神事が行われました。
燃え盛る松明をグルングルン回して五穀豊穣を祈る(神様の結婚の儀式だそうです)、年に一度のユニークな体験型神事です。写真をいくつか…。













私は今年お留守番。帰って来た日本語のできるドイツのMさんにどうでしたかと聞くと、「タノシカッタ。デモ、チョットコワカッタ。」



2013年3月16日土曜日

ヘルパーさん募集(2013春)。


これからベストシーズンを迎える阿蘇、阿蘇ベースではヘルパーさんを募集します。

以前募集しましたが、募集要項が若干厳しかったでしょうか。私もキンタローのおかげで前田敦子だけは完全に覚えてしまったということもあり、例のAKBのくだりは適用除外することにしました。これで若干応募しやすくなったかと思います。


もう一度整理しますと、

・朝10:30より、1日3時間程度の主に清掃手伝いです。
・給料は出ません。宿泊費の対価としてお手伝いいただきます。
・5勤1休(休みの日は要相談)。
・10日以上働ける方。



やはり強調したいのは、阿蘇ベースでは英語他外国語のネイティブスピーカーまたはほぼネイティブスピーカーが、とにかく“まあ大概はいらっしゃる”環境ですので、英語の話し相手がいたらなあと思っている方や、これから海外に行ってみたいと思っているのに外国語で話しかけられると固まる(私も昔そうでした)から少しでも慣れたい方などには大変都合の良い環境だろうと思います。


まあそうでなくても阿蘇が何となく気になっている方、移住まで視野に入れている方などとにかくいちど短期間でも阿蘇に住んでみたい方は、阿蘇ベースでヘルパーをしながら阿蘇を体感してみるのもいいかもしれません。


ちなみにヘルパーさんには個室が支給されます↓。




じつはこれ納戸なんですが、ひとりで落ち着いて本を読んだり勉強なども出来る空間になっているかと思います。ドミトリーがよければそちらでも構いませんが、歴代ヘルパーさんはみんなこちらの部屋を選びました。

それでは興味のある方は以下の項目を記載してまずメールで(asobase@aso-backpackers.com)ご応募ください。お待ちしてまーす。

1.お名前
2.希望期間
3.年齢
4.電話番号
5.志望動機・自己紹介


2013年3月12日火曜日

外食。

「何このかわいいカタマリは!」

突然妻が言いました。










かわいい塊…、はくのことでした。


最近はくがカリカリをあまり食べません。エサ時、ゴハンクレーと足元をウロウロスリスリするのですが、皿にカリカリしか入っていないと、そのカリカリを数秒じぃーっと見つめ、そして今度は露骨に物憂げな表情でこちらをじぃーっと見つめます。マタコレカァ、とため息が聞こえるようです。

気持ちは分からんでもないです。私も朝食がコーンフレークだと三日で飽きますから。


あんまり食べないので大丈夫かなあと多少心配してたら、昨日外で頭だけ残った鳥と遊んでいました。



ああ、外食もしてんのね…。

2013年3月10日日曜日

大火文字焼き。



知らない人が見たら山が噴火して溶岩が流れて出しているのではないかと勘違いしてもおかしくないスリリングな様相を見せる昨晩の阿蘇(往生岳)。






毎年恒例の阿蘇火祭り開幕行事として、写真ではよく分かりませんが山肌に火の文字が浮かび上がりました。昨年のこの日はなぜかいつにも増して閑散としていた阿蘇ベースでしたが、今年はありがたいことに、この火を見に来たという4人グループが3組もいてなかなかの賑わいでした。お酒も入り、夜10時以降も若干賑わい過ぎてちょっと声を落としてねと言わなければいけませんでしたが、ゲストさん達が楽しそうに歓談している様子を見るのは宿人冥利に尽きると言うか個人的な満足感があります(因みに夜10時前でしたら結構声が大きめでもあんまり注意しません)。

宿人ってタビビトに対してヤドビト、もしくはヤドンモン、ヤドンチュと読んでもいいかもなどと今勝手に造ったのですが、昔から宿主(ヤドヌシ)って呼び方が、なんかエラソーな感じがして自分では使いたくないんですよね。おぬしはヌシかい、と。

どうも話が脱線しましたが、ここ数日掃除中はすでに半袖の暖かい春の陽気で庭の梅も咲きました。そして阿蘇ベースはバックトゥーノーマル、普段通りまだまだしばらく空きが多いので、昨晩燃やしたこの時期だけの黒い往生岳もなかなか珍しいですからみなさまお待ちしてますよー。

2013年3月6日水曜日

持参してください。



みなさまご存じのとおり(ご存じでない方は覚えておいてください)阿蘇ベースには薪ストーブがあり、1階のリビングルームに暖かさと雰囲気をプラスしています。何度も来ていただいている福岡のSさん、Oさん、今回は“芋持参”でいらっしゃいました。


さすが常連さん、いいところの目を付けました。目の付け処がシャープです(鋭い、という意味です)。

実は焼き芋を薪ストーブで焼いてゲストさんに安く販売したらどうか、などと若干小賢しいことを考えたこともあったことはあったのですが、実行に移す前に持参されてしまいました。



されてしまいました、などと書くと嫌なのかと思われそうですが、そんなことはありません。芋をアルミホイルに包んで薪ストーブのなかにポイッと放り込めばカンタンに焼き芋ができますのでじゃんじゃん芋持参してくださって結構です。ジャガイモ持参でジャガバターなんかもいいんじゃないんでしょうか。

安全上、芋放り込み&取り出しは私がやりますのでお任せください。ただ焼き時間の決定権は芋所有者にありますので、多少焦げていたとしても目をつぶっていただいて、「あー、焦げてるー。」などと私に聞こえるように呟くのはご遠慮していただければ幸いです。

段々と春らしく暖かくなってきた今日この頃ですが、後1ヶ月くらいはまだ薪ストーブを焚くでしょうか。とにかく冬季(薪ストーブ稼働期間)限定ですので焼き芋?いいねーと思った方は是非『芋持参』で阿蘇ベースにお越しください。

2013年3月1日金曜日

手作り…。


3月の始まりの今日は雨風のはげしいあいにくのお天気でした。再開してから今までポツリポツリとゲストさんが来ていただいたり来ていただかなかったりでしたが、病は気から、屁は屁元から、阿蘇は3月から、とよく言われるように厳しい寒さも和らいできたこれからが阿蘇の観光シーズン本番になります。3月は野焼き、大火文字焼き、火振り神事とアツい行事が盛りだくさんですので沢山の旅行者が来てくれたらいいなと期待している今日この頃です。

さて先日子供さんおふたり連れのご家族で宿泊された韓国のゲストさん、そんな気を使うのやめて下さいよー、とこんなときはホントにいつも思うのですが、わざわざお土産を持って来てくれたのでした。コレ↓。



食器洗いスポンジです。これがなんと手作りですって。なにかモノを創る人、創れる人ってエライ!羨ましい!と思うのですが、この食器洗いスポンジということのほかニッチな分野を攻めてみた発想力に大変感心してしまいました。


でもやっぱりなんかもったいなくて使うのをためらってしまいますね。