2013年3月23日土曜日

デリバリーはむつかしい。

外国人旅行者の多い宿で働いているので、よく英語がペラペラなんじゃないかと思われがちですがそんなことはありません。英語圏に数年住んだ経験もあるので、ある程度伝えたいことは伝えられますし(正しい英語か正しくない英語かは別として)、ちょっとしゃべっているのを聞いた人に英語出来ていいですねえなんて言われて少し気分がよくなったりすることもあることはあるのですが、実際のところ、これなんて言ったらいいんだろうと言葉に詰まることはしょっちゅうです(ひとつ言い訳をすると日本語で言葉に詰まることもしょっちゅうです)。


先日のことですが、あるオランダのゲストFさんに近くの食事処をひととおり説明してまして、最後に『出前もあるよ。』と軽く付け加えるつもりで、「We have delivery, also.」と言いました(ネイティブスピーカーはこんな言い方するものなのかわかりませんけど)。

オランダ人というと、オランダにはちゃんとオランダ語があるにもかかわらず、ブルース・リーがヌンチャクを扱うように自由自在に英語を操るほぼ英語ネイティブスピーカーと言ってもいいくらいの方たちですが、それを聞いたそのオランダのFさん、私の今までの人生で100万回くらいされたことのある、目を細めて必死に何かを思い出そうとするような表情でじいーっと覗き込むように私を見ました。


要するに「え、ワカンナイ。何て言ったんだろう?」という表情です。いつものことですが、『ああ、また(この表情を)食らったか…』と軽く凹みます。



続いて私は愚かなことに単語だけを繰り返し言いました。


「でりばりぃ。」

不発。りトライ


「でぃヴぁぅりぃ。」

また不発。もう、結構恥ずかしい。


仕方ないので敗北感に打ちひしがれつつ、たどたどしい説明を入れます。

あいめいくあふぉんこーる、あんどぜいるぶりんぐふーど…。

ここでFさん、

「Oh---! DELI-VERY!!!」

さすがフォータイムスチャンピオン、アーネスト・ホースト擁するオランダ人、パーフェクトなデリバリーの発音です。一生懸命その発音を真似てみましたが、言えば素材が違うというのか、カニとカニボコのようにどうあがいても決定的に違う何かがあります。



というわけで、デリバリーはなるべく避けて通りたい単語であります。

2 件のコメント:

  1. 「目を細めて必死に何かを思い出そうとするような表情」
    私も何度くらったことでしょう。。。
    私は意味が理解できないのは自分の英語力の欠如ではなく、
    聞き手の想像力の欠如だと思うことにしてます。

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  2. 想像力、大事です。消臭力より想像力!

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