2018年7月5日木曜日

ワールドカップ日本代表が戦いを終えての感想。


戦前の大方の予想を覆し、もう少しでベスト8が手に届くところまで健闘した日本代表のワールドカップが終わりました。
だいぶ前の前回のブログにはワールドカップ前に日本代表に対して思うことをまじめに書いちゃってましたので、敗退が決まった今、スルーするのも自分自身少し気持ち悪いので一応個人的な感想も書いておきます。


最後のベルギー戦は“ドーハの悲劇”、“ジョホールバルの歓喜”、“マイアミの奇跡”などと同様に“○○の○○(“ロストフナドヌーの嘆息”とか)と将来副題が付くんじゃないかというドラマティックな幕切れで、最後のカウンターの場面など今後事あるごとに映像が流れることになる(ドーハの悲劇のあの場面、今まで何回観たことか)日本代表の歴史に深く刻み込まれる戦いだったと思います。


今回の日本代表のワールドカップを振り返ってとても大きなポイントだと思うのが、初戦のコロンビア戦開始わずか3分に起きたのハンドPK&レッドカード。この時、この試合勝つんじゃない?と思った方は多いと思います。ここからチームは完全に波に乗ったと思います。

個人的に頭に浮かんだのは、スーパーマリオでスターを喰って(獲って)無敵状態に入ったような感じ。そしてここから最後のベルギー戦までその効果が続いたような印象を受けました。

打つ策がことごとく良い方に転がる、というか、言えば全体を通して運も大いに味方した、ということなんですが、しかし、運がいい、というのを下に見るとかケチをつける気はさらさらなくて、選手、監督、スタッフの日々の努力の積み重ねが、この大舞台での運を引き寄せたのだと思ってます。毎日毎日ソファに寝っ転がってポリポリとポテトチップ食べながら何時間もテレビ見て過ごしているだけの人にはなかなか運って廻ってきませんし、たとえ廻ってきてもその運をガッチリと掴み取ることができないでしょうから(←耳痛)。

物議を醸したポーランド戦ラスト10分のボールただただ回し戦術なんかは、アレ、個人的な意見では、どちらかというと批判されるべきはポーランドの方だと思いますけどね。本田選手が試合後サッカーはエンターテインメントだと言っていて、私もその認識には本当に同意するのですが、エンターテイメント性よりも勝敗に重きを置くサッカーファンも多いことも承知しています。ただグループリーグ敗退が決まっていて別にこれ以上失うもののないポーランドこそイチゼロの勝ちで良しとせず、観客を楽しませる為、最終戦を待たずにグループリーグ敗退決定で落胆させた自国民の為にも、最後まで全員でボールを奪いに行けよってポーランドのみなさんは思わなかったですかね。もしもポーランドと日本が逆の立場ならテレビに向かって行けよオイと私ならツッコみますけどね。

どなたかの記事に、“超強気な弱気采配”みたいなことが書かれていて、言い得て妙だなと感心したのですが、たしかにあの時のにボール回しだけで攻めないという戦術を選択するのは、万が一(イヤ、個人的で適当な見積もりですが六が一くらいの可能性はあったと思う)、残り時間でセネガルが点数を入れてしまって敗退なんてなろうものなら、その采配に対する批判は想像を絶するものになるはずですからそのまま普通に攻め続けるよりもよっぽど勇気のいる采配です。確か元日本代表監督の岡田さんもオレはビビりだからこういう采配は出来ないって解説されてたように記憶していますし。

だいたい先発6人も替えて臨んだそのポーランド戦の先発フォーメーションを見た時、なんだこの先発は?と思いましたもん。でその時、なんだこの先発、西野監督思い切ったねえと思った直後、なんかしらんけどなぜかこの試合勝つんじゃねえか、と直観で思いました。結果的には敗けたんでその直感は全く間違っていた訳ですが、決勝トーナメント進出という結果は掴み取りました。


『運命の女神は勇者に味方する』という言葉がありますが、ここで敗けたら敗退も大いに在り得る試合を通して勇気ある采配をして、そしてここでも結果は良い方に転がりました。

そして最後のベルギー戦、惨敗も全然在り得る格上の相手をあと少しまで追い詰めての惜敗でした。2対0リードからの多分狙ったわけではない若干不運なゴールを決められた時がコロンビア戦のレッドカードPKから続いたスター無敵状態の効果が切れた瞬間だった、と終わってみるとそんな印象を個人的には持ちました。惜しかったですが、美しい散り際だったと思います。


そして今、日本中を感動をありがとう的なムード一色に包まれているように見えます。しかし、実際のところどうなんでしょうか?モヤモヤ、全くない人ばっかりなんですかね。次期監督情報をリークしだした(ように見える)サッカー協会の方々は16強めでたしめでたし(終)、なんですかね。私は基本的にはイラストにされると瞳にキラキラと星が描かれるほど素直な人間だと自分では思っているのですが、若干偏屈な面も無くは無いので少なくとも、結果的にハリルやめさせて大正解だった、なんて臆面もなく語っている輩にはイラっとさせられてまたひとつ人生の敗北を感じさせられますけどね。ただし、この大会を通して死力を尽くして戦った選手、監督、スタッフたちには素直に心からの拍手を送りたいです。また、このチームの戦いを複雑な胸中で見ていた(であろう)前監督には、いらんかもしれませんが同情します。


とにかくワールドカップは終盤、ベスト8が揃いました。痛みにセンシティブとか揶揄されながらもメキシコ戦は結果を出した、どことなくデニス・ロッドマン化が進行中でそのうち北朝鮮に通い出さないかと個人的に少し心配なネイマール選手擁するブラジル、そしてなんといっても水面を沈まずに走れるんじゃないかというスピードで世界中を驚愕させた19歳の超新星エムバペ選手を擁するフランスあたりの優勝を予想していますがどうなるでしょうか。梅雨空の中、あとしばらくワールドカップ楽しみます。