2017年2月3日金曜日

インド旅行記③



インドを旅行する日本人の10人中10人が下痢をするわけではないでしょうが、基本的に私のように胃腸がさほど強くない人が、そのへんの最安クラスの食堂や屋台で毎食食べてたら、おなか壊すまでまず1週間とかからないのではと個人的には考えています。


インドへ向かう飛行機の中、斜め前の座席の人が現代版インベーダーゲーム的なシューティングゲームをやっていてなんとなく目に入ったのでしばらく眺めていたのですが、自分が操作する機体には何重かのバリアーが張ってあり、敵の弾に当たるとひとつひとつそのバリアが剥がれ、最後バリアがなくなって弾に当たると機体が大破してゲームオーバーになるようなゲームでした。



インド初の食事はデリー駅近くの庶民派食堂でインド的な朝定食を食べました。





20年近くぶりの本場インドの味を(あーこれこれ、実際のところあんまし口には合わないけどこの味。)などと懐かしく思いながらながらきれいに平らげ、大好きなインドのチャイも飲みまずまず満足しましたが、食後私のお腹バリアーが一枚剝がされたことをはっきりと感じました。

その後、それなりに庶民派以上のベジレストランへ行ってカレーを食べてみまして、さすが若干きちんとした服を着たインド人で込み合う人気レストランらしくなかなかおいしかったのですが、かなりパンチの利いたスパイシーさで、お腹バリアがまた一枚破られるまではいかないまでも、ヒビくらいはいったかもしれない、バリアの上でお猿の軍団がドタバタと運動会をしているような衝撃は感じました。



そういったレストランではメニューが一応英語というかアルファベットで書いてあることはあるのですが、例えば“BOONDI RAITA”とか書いてあってもそれが何の事だか全然わからなくて、これから1ヵ月インド料理をいろいろ食べるぞと意気込んでいた私はこれじゃいかん、と思い、Paneerは白い豆腐のようなチーズ、Gobhiはカリフラワー、Palakはほうれん草、Bhindiはオクラなどと野菜名や料理名を調べて熱心にメモを取りました。



そんな私の意気込みとは裏腹に、ジャイプルに移動した3日目にはもうすでに私のお腹バリアーは一枚も残されていませんでした。





インド到着3日目の夕食、なんかちょっと遠くで雷鳴が鳴っているかのような不穏な気配を感じていた私は、一旦カレーではなく、“フライドライス”に逃げ込みお茶を濁したつもりだったのですが、そんな小心な安全策も空しくそこで大破、“GAME OVER”となりました。後で考えてみると、実際にはそのときすでに、「おまえはもう、下痢している。」と、北斗の拳で言えばケンシロウに背中を向けられている状態だったのでしょう。自分のお腹が強くないことは重々自覚していますし、インド1ヵ月なら下痢の一回や二回覚悟の上ですが、しかし我ながら早すぎて情けない。奥さんはまだ無事なのに。己の貧弱な胃腸が恨めしいです。


さあこうなったら私は何も食べません。水だけ。それが私の定番の対下痢ラ戦術です。ほんとはポカリスエットなどのスポーツ飲料がベストなので、宿近くの商店でSports Drink あります?」って聞いてみましたが、「はぁ?」って顔されました。仕方ありません。脱水症状になるといけませんので水は結構飲みますが、さすが敵に回すと厄介な“THEインディアンダイオリアー”、水を飲んだ分だけさほど時を置かずして水が出ます。汚い話で大変申し訳ありませんが、日ハムの大谷選手は二刀流、三浦カズ選手は今では年齢のことがセットとして語られるように、インド旅行の話にはだいたい下痢がセットとして語られることになるのでどうかご容赦くださいませ。


昔ボクシングの亀田興毅選手は「亀田とKOはセットや!」と豪語してネットで、『イヤ、“亀田と疑惑の判定はセットや!”の間違いやろ。』などとボコボコにツッコまれていましたが、「インドと下痢はセットや!」と豪語しても、中には「俺は大丈夫だったけど?」という人もいますけど、その場合はその方が日本人離れした強靭な胃袋を持っているか、それなりにちゃんとした中クラス以上のレストランしか入らなかったか、そもそも滞在期間が短く、お腹バリアーがダメージを受けながらも何とか持ちこたえたかとしか答えがないのでツッコまれる心配はありません。普通の日本人にとってインドと下痢は基本セットなのです(←断言していいのか?)。


地球の歩き方にも載っている、ジャイプルでとても有名らしい絶品ラッシー屋さんのラッシー、奥さんはこの旅幾度となく飲んだラッシーの中でダントツ一番だったと言ってましたが、私は諦めざるを得ませんでした。大変残念です。







 (↑毎度毎度、食べてから、飲んでから、「あっ、写真。」と気付く。)




さて、お腹が壊滅的な状態のまま、瞑想コースが始まりました。



〈続く〉

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