2016年8月28日日曜日
さいなら、はく。
熊本地震では、ペットが逃げ出して戻ってこないケースも多々あったようで、私の友人宅でも猫がいなくなって戻ってこないということがありました。
実は熊本地震に2週間ほど先達て、ウチの猫、はくがいなくなっていました。鼻が黒いのではなくろの略、はくです。はくは後から拾ったもう一匹の猫、ぎんが来てからはあまり家に入りたがらず、ほぼ屋外暮らしでしたが、毎晩必ず受付の窓の外にある、猫用トイレを改装した別宅で寝ていました。夕方に帰ってくるといつもブラッシングをしてあげました。おなかを晒し手を目いっぱい挙げて、脇の下のブラッシングを強要してきました。
はくはなかなか難しい性格で、ぎんがいくら仲良しアプローチをしても、いつまでたっても妹分、もしくは子分として認めようとはしませんでした。私たちも何とかしようといろいろ試したものの、二匹の関係が好転することは最後までありませんでした。いや、一時期は同じ空間にいても気にしないくらいにはなったのです。しかしある日、私の膝で寝ていたはくがすっと起きあがったと思ったら、突然お尻フリフリの獲物襲撃体制に入り、近くでスヤスヤ寝ていたぎんに飛びかかったことがありました。私は、???な、なんで???と大変混乱しました。
その襲撃事件以後は、外でぎんを追いかけまわしているのを何度も見かけました。ある時は、はくが隙をついてぎんに飛びかかってギャアと叫んだところでウチのキキ(犬)が猛ダッシュで駆けつけて助けに入ったこともありました。ぎんとキキは仲良しなのです。キキとはくも、もちろん何度も顔を合わせているので、初めのころに比べると少ーしは慣れたものの、はくがキキにフレンドリーに接することは決してありませんでした。
とにかくはくは私が思いがけず飼うことになった初めての猫ですし、猫に対する知識、経験、データ不足もあるでしょうけど、それにしても理解できないところが多いやつでした。
それでもはくが帰ってこない日は無かったし(1日だけ、野猿が現れて逃げた日は帰ってきませんでしたが)、ブラッシングはいつも楽しみにしてるし、歯が良くないので消化不良でよく吐きますがちゃんと食べるし、モフモフすると結構グルグル鳴るし、彼女がおばあさんになって、別宅にジャンプして登るのが億劫になって、そろそろ家を地面に置かなきゃね、なんて時までずっとここで暮らしてくれるものだとばかり思っていました。
しかし、晩御飯で残しておいたカツオのたたき二切れを持っていって、グルグル言いながらおいしそうに食べたその翌朝から、はくは姿を現しませんでした。
その後毎晩探しに出ていましたが、いなくなって4日程経過したある深夜、寝ていると外で私たちを呼ぶように猫がニャーニャー鳴くのが聞こえました。(はくだっ!帰ってきたな、バカやろー心配させやがって!)と私は文字通り飛び起きて外に出て『はくー、はくー!』と呼びました。
が、…シーン。あ、あれ。なんで?
うちの寝ているところのすぐ横の外でニャーニャー呼ぶのははくしかいないと思いますし、今となっては100%の確証はありませんが、あれははくの声だったと思ってます。奥さんも聞いているので幻聴ではないと思います。しかし、あの声がもし本当にはくなら私たちを呼んどいてなぜ姿を現さないのか?
最後の最後まで理解できないやつでしたが、なんとなく春になったら出ていこうとしていたんじゃないかという気も少ししています。悲しいことですけど。寒さも和らいできたし、最後刺身も食ったし、そろそろいこうかね、と…。
突然降って湧いたようにうちに現れた時と同じように、またどこか優しい猫好き家族の玄関先でニャーニャーと餌をねだり、上手くその家庭に入り込んで今もどこかでふてぶてしく生きていてくれたらいいんですけど…。
さいなら、はく。
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噴火の影響はいかがでしょうか?
返信削除地震に続き今度は噴火とは・・・。
早く平穏な日常に戻りますように。
お気遣いいただきありがとうございます。幸いにも風向きがこちらにモロではなかったので、停電はありましたけど少々の降灰で一応済みました。まあ、今回の噴火というより、線路が復旧するまでは細々ですね。
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