2010年8月21日土曜日

古坊中

「あっ、あれだ!!」ブゥワァッ!!(アドレナリンの出る音)




炎天下の中、探し回ること2時間半、その梵字の刻まれた碑は低木に囲まれひっそりと隠れるように立っていました。


ここは『古坊中』―。

その起源は726年と1144年とずいぶんと離れたふたつの説があるようですが、少なくとも1500年代後半に戦火で消失してしまうまで、つまり今から500年前には中岳火口西側スグの一帯は、山岳仏教の一大霊地でした。現在ではのんびりと牛が寝そべる、一見“原っぱ”になっていますが、“36坊52庵”(37坊51庵という説あり)といわれる多くの寺院や、僧侶や修験者達の住居、参詣者の宿が建ち並んでいました。

観光で阿蘇を訪れる方が必ず通る、この『古坊中』は、実は深い深い歴史ロマンのある場所なのです。

今では道路脇に古坊中という看板がぽつねんと建っているだけなので、そんなことはほとんどの皆さんが気付かないのは全く仕方の無いことですが、火口だけをササッと見て「オォー!」とか「ウワァ!」とか言いながら写真を数枚撮っただけで、“阿蘇観光終了。(まる)”とばかりにササッと去ってしまうのはとてももったいないことのように思えます。

古坊中の草原に立ち、かつてここにたくさんの建物が建ち並び、常時300~400人余りともいわれる人々が訪れ、居住していた往時の様子を想像してみるのもひとつ意味のあることかもしれません。




「砂漠が美しいのは、どこかに井戸をかくしているからだよ…。」

星の王子様は言いました。




阿蘇が美しいのは、まだ何処かに何かを隠しているから、、かもしれません…。


そして、残念ながら今回は見つけることが出来なかった、もうひとつの梵字の刻まれた板碑が古坊中のどこかにあるようです。

近いうちにまた探しに行きます…。

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